みなさん、こんにちは。
前回までで【レザージャケット・アワードジャケット・フライトジャケット】のアウター編を続けました。
この冬の相棒を選ぶ参考にして頂くのも良いのですが、
「お気に入りのアウターの知らなかった一面を発見してもっと好きになった。」
なんて事があれば嬉しい出来事です。
なにげなく身の回りにある洋服の新たな魅力に気付いて頂ければいいなと思います。

それでは今日も参ります。

今シーズン注目の高いアイテムのニットにフォーカスして『ABOUT KNIT』編です。
(ニットについて)

「ニットとは何?」ということから書いていきたいと思います。
洋服は基本的に織物と編物の2つに分類されます。
ニットは編物に分類され、我々の業界では横物とも呼ばれます。
それは、織物が経糸と横糸で構成されているのに対して編物は横糸だけで形成されているからなんです。
手編みしている姿を見たことある方ならご理解いただけるかもしれませんが、
簡単な図を使ってご説明いたします。

一番下の見切れているブルーと上にあるホワイトの糸を横に進ませながら拾います。
この工程を一段づつ進め、これを繰り返すことでニットは編まれてゆきます。
これが一般的なニットの編立て方で糸の拾い方と絡ませ方で組織が変わり、
天竺・リブ(ゴム編)・ケーブル等と呼ばれる組織が作られニットの表情を決めます。

これで基本はお分かりいただけたかと思いますので、
実際に商品をご紹介しながら解説していきたいと思います。

【Iroquois】
\38,500-
ブラック・ホワイト・レッド・オレンジ・イエローの5色ジャカードのニット。
5色の糸を操り繊細な柄を表現した逸品。

もし、上の画像で気が付いた方は今すぐアパレル業界への転職をお勧めいたします。
さて、何でしょう。
5色というのを意識して頂くと気が付くかもしれません。

いかがでしょうか、
実は白い部分にプリントを入れるというニットではなかなか見ない離れ業を施しています。

つづいて

【Iroquois】
\52,800-
こちらのニットも先程勉強した知識を覆す面白いことをしています。
これは大き目な画像で見て頂くと先程よりは分かり易いかもしれません。

上のニットの拡大画像。
分かった方はニットマイスターです。
ぜひ、一緒に働きませんか。

【通常ニットは横に編み立てられている】これが大きなヒント。
そう、横向きに編み立てられたニットを縦に使用しているニットなのです。

この調子でもう一つ

Iroquois
\52,800-
こちらのニットも先の2点と変わらずいい雰囲気ですよね。
こちらのニットは特殊な編機を使用しています。

これは流石に何が凄いのか分からないと思います。
なにせ、アパレル歴20年以上の私も見ただけでは何をしているのか分かりませんでした。
(もし分かった方がいたらお申し出ください、師匠と呼ばせて頂きます。)
このニットは経糸挿入機という機械を使用して編み立てています。
縦…?
そうです通常ニットは横に編み進めるのですが、
この機械の名前にもある通り横に編み進めながら経糸を入れて編む非常に希少な機械。
この機械を使用する事で経糸を使用して通常ニットではありえないフリンジを作る事が出来るのです。

いかがでしたか。
今回はニットに対して並々ならぬ情熱を持つIroquoisを中心にご紹介しました。
一般市場で見たらけして安くはありませんが、海外メゾンのニットに引けを取らない完成度。
割安なアイテム達だと思います。
その証拠と言ってはなんですが店頭ではご理解いただける方も多く、
一部のアイテムはサイズも欠けてきています。
興味を持っていただけたお客様は、ぜひお早めに店頭でご確認くださいませ。

それでは、みなさまのご来店を心よりお待ちいたしております。